退屈な窓辺

陰キャ大学生が成長を目指す様子を綴ったブログです

塾講師アルバイトを辞めた話

一昨日、冬期講習を最後に2年半程続けた塾講師のアルバイトを辞めた。振り返ってみると、思い通りいかないことばかりだった。大きな成果を出せたこともほとんどない。しかし、それでも自分がここまでの大学生活で最もエネルギーを捧げたのはこのアルバイトだと思う。だから、最後スタッフに挨拶している時は思わず感極まってしまいそうになった。ここでは、これまでの振り返りとなぜ辞めることにしたのかをまとめたい。

まず、このアルバイトを始めたのは、自分自身が塾に入ったことで、大きく成績を上げることができたこと、それによって自分に自信を持てるようになったこと、そんな体験を自分の受け持った生徒に味わってほしいと思ったこと。それと高校の頃から漠然と塾のバイトってかっこいいというイメージがあったことの二つが大きな理由だった。中学生の頃の自分は、自己肯定感がともかく低かった。運動の苦手なだけで存在価値が大きく下がる気がしていたのだ。そんな時、塾に入り成績が上がり多少自信を持てるようになった。当時感じたのが、運動はセンスによるものが大きいけど、勉強は努力次第である程度なんとかなるということだ。こんな思いのもと、大学1年の4月何気なく申し込んだのが今のバイト先だった。塾講師は結構倍率が高いと聞いていたので、あっさりと採用され少し拍子抜けだった。採用は早かったが働き始めたのは7月からだった。

働き始めて少し経つと、自分の考えは幻想であることに気づく。それは、残酷な話だが世の中どうしたって勉強のできない人がいるんだなと。始めた当初、担当生徒の成績が大きく下がった。これ自体はショックだったが、自分の指導力不足と考えればまだ納得がいった。問題は元々30点ぐらいの生徒だ。こういった生徒に自分は全力で教えたつもりだった。しかし、成績は上がらず低空飛行を続けた。ようやく理解したと思った次の週には忘れてる。人間得意不得意があるんだなと学んだ。また、これとは逆に授業中にはかなりよく理解できているのに、テストになるとあまり点が伸びない生徒が結構いた。この手の生徒は最後まで悩まされた。しかし、一方で何かのきっかけが掴めれば大きく成績を上げることのできる生徒だと思った。また、個別指導に来ている生徒に感じたことは、主体性のなさである。彼らは席についても、こちらが声をかけるまで教材を出さない。これが一人や二人でないのだから驚きである。さらに、問題を解き終わっても、自分から声をかけない。こちらが気づくのを待つのである。また、問題に間違えたとしても、自分で理由を考える生徒もいない。丸着けが終わったらただ、ぼーと待っているだけである。理解する必要はないと思う。でも、まず自分で理解しようとしてみたら。そうして、講師が手が空いたら解説する。講師の説明を聞いて大抵の場合はわかったようになるのだが、次も同じ間違いをする。わかることと、できることは全く違うことだからだろう。わかるをできるに昇華させるために、理解できるか否かは置いといてまず自分で考えてみる必要があると思う。そういった過程が血肉となり学力となるのではないか。一方、できる生徒というのはこういったことができていた。自分は上に挙げたようなことは勉強をするうえで、当たり前のことだと考えていた。いや、正確に言えば考える以前に無意識的に行っていた。しかし、それが当たり前でないことを知った。逆に言えばこういったことをやれば、大抵の生徒の成績は上がるのではないか。まぁこちらが言ってもやらないのだが。ただ、前述の通りどうやっても無理な生徒がいるのも事実だが。

さて、振り返りはこのぐらいにして、なぜ自分が塾講師を辞めたのかについて触れておこう。一言で言えば、自分の指導力のなさだ。ここまで、散々生徒をdisってきたが結局はこれである。より正確に言えば、同期との指導力の差である。自分の同期は幸か不幸か優秀?な人が多かった。そういった人たちはバイトリーダー的立ち位置に出世していった。これは、結構辛いことだ。ただ勘違いしないで欲しいのは彼らを嫌悪したわけではない。彼らは基本的にそのポジションに相応しい結果を出していたし、自分のことや他の人を見下したりはしない本当にいい人だった。しかし、自分にはこれが耐え難っ難し、同時に自分の力のなさを痛感した。そしてはっきりした。自分はこの仕事には向いていないと。2年程経ってである。しかし、だからと言って自分を卑下はしていない。先にも述べたように、人間は得意不得意がある。自分には、少なくとも個別指導塾の指導には向いていない。ただ、それだけである。2年程続けていることからわかるように自分はこのバイトが嫌いではなかった。イラつくこともあったが基本的に教えることは楽しいことだった。成績を上げることはできた時は勿論嬉しかったし、ずっと担当した生徒にはそれなりに愛着もあった。だが、客観的に考えて向いていなかった。本当はもっと前から気づいていた。だから、この一年程はそれなりに工夫もした。しかし、それでも結果は伴わなかった。そうして、辞めることを決めた。

他に理由はいくつかあるが、突き詰めれば上の指導力のなさに帰着する。アルバイト先は、座る位置である程度ランク付けされているのだが、自分はなぜだがずっと新人と同ランクだった。向いていないとは思っていたが、流石に新人と同じということはないだろうと感じていた。

なんだか話が暗くなってしまったが、このバイトをここまで続けたことに後悔はない。向いていないからこそ学べたことや工夫できたことがあるし、色々な気づきがあったいい経験だった。先に述べたようにこのバイトが自分が大学時代一番エネルギーを捧げたことであることには変わりはない。だから、就活で学生時代力を入れたこととして自信を持って語ろうと思っている。自分だからこそ、語れることがあると信じて。